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中山道保存管理計画

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歴史が息づく 峠と宿場の町“長和”の街道文化の継承をめざして概要版表紙長野県小県郡長和町・長和町教育委員会

1.保存管理計画の目的

 中山道は、長和町の歴史や文化、生活を育んできたバックボーンの一つであり、これからのまちづくりにおいてもその価値や存在を十分に把握、理解して対応していく必要があると考えられます。歴史ある資産を後世に受け継ぐ取り組みを体系的に総括し、一定の方向性を持って進めるための指針として、地域の歴史的資産を次世代へと確実に継承していくために、中山道及び和田宿、長久保宿を対象に保存管理計画を策定します。

2.計画対象範囲と定める内容

【国史跡である範囲】
〇中山道の道筋(和田古峠唐沢一里塚一帯、和田宿内、青原地区の一部など)
〇永代人馬施行所 〇和田宿本陣
〇歴史の道資料館かわちや 〇唐沢一里塚
矢印 史跡指定地では、史跡を適切に保存し次世代へ
と確実に伝達するために、次のことを定めます。
*保存管理の基本方針 ⇒2 ページ
*整備・活用の基本方針 ⇒4 ページ
*運営・運用の体制 ⇒7 ページ
【史跡として保護すべき範囲(国史跡として追加指定を目指す範囲)】
<和田地区>
〇東餅屋茶屋跡 〇御殿跡(和田宿本陣)、〇伝統的建造物(脇本陣、下の問屋、なが井、よろずや)
<長久保・大門地区>
〇中山道の道筋(笠取峠~長久保宿までの原道、長久保宿内、四泊一里塚跡周辺、落合橋周辺)
〇伝統的建造物(本陣石合家、釜鳴屋、問屋、辰野屋、馬宿)
矢印 史跡として保護すべき範囲(遺構等)は、中山道に関係する重要な遺構であり、保存を図る
必要があることから史跡の追加指定を目指すものです。追加指定に向け、次のことを定めます。
*追加指定の基本方針 ⇒6 ページ
*追加指定地区における
整備・活用の基本方針 ⇒6 ページ

 計画対象範囲図

青原地区

かわちや

本陣

唐沢一里塚

永代人馬施行所

和田古峠

3.史跡指定の経緯

  • 昭和53年度:歴史の道中山道保存整備事業着手(旧和田村)
    道、標識等の整備、河内屋、永代人馬施行所の復元整備等を実施
  • 昭和58年度:歴史の道中山道保存整備事業完了
  • 昭和61年度:伝統的建造物群保存地区保存対策調査実施(旧和田村)
    和田宿本陣保存修理事業着手
  • 昭和62年度:中山道(男女倉口~古峠間)、永代人馬施行所を国史跡に指定
  • 平成2年度:和田宿本陣保存修理事業完了
    伝統的町並み保存調査実施(旧長門町)
  • 平成3年度:中山道(和田宿周辺、村境青原周辺、本陣、旅館河内屋、唐沢一里塚等)
    国史跡に追加指定

4.保存管理の基本方針

  1. 旧状を色濃くとどめる史跡中山道の道筋の継承

    4-1江戸と京都を結ぶ中山道の道筋は、むかしもいまも地域の主要な交通網の一つとして存在し、その果たす役割は大きいものです。一方で、男女倉口から和田古峠までの道筋は、往時を色濃く残す山道であり、江戸時代の面影を伝えています。この道筋を次世代へと継承していくために、保存管理していきます。

  2. 往時の面影を伝える伝統的建造物・遺構、町並みの保全

    4-2和田宿には、本陣をはじめ数多くの宿場遺構が残り、整然とした町並みには今なお宿場の趣が生き生きと感じられ、来訪者も多く訪れています。
    この宿場遺構を長く伝え残していくためには日常的、定期的な管理が不可欠です。また、増加する宿場内の空き家を再整備し有効利用することにも取り組みながら、町並み全体を維持保全していきます。

  3. 関連機関との連携による円滑な維持管理

    4-3史跡中山道の保存管理を着実に実行していくために、関連する機関との連携体制を明確化し、日常的、定期的な維持管理のほか、今後起こりうる事象にも速やかに対応できるようなしくみを構築していきます。

  4. 地域との協働で進める「史跡中山道の保存管理」

    4-4歴史的にも重要性の高い中山道と宿場の町並みがともに往時の姿をよく残しつつ現代まで受け継がれてきていることは、長和町の誇りです。今後もこの地域の宝を、地域をあげて守り伝えていくために、現在、中山道や宿場の歴史を守り伝える活動を行う地元活動団体を中心に、地域と協働で史跡中山道の保存管理に取り組みます。また、イベント等を通じて子どもたちや若い世代にも積極的に取り組みへの参加を呼びかけていきす。

5.保存管理計画

史跡中山道を周辺地域と一体的に保存・管理していくために、史跡を取り巻く環境及び地域性を考慮したエリアに区分し、保存管理の考え方を整理します。

66-2 6-1

6.整備・活用の基本方針

史跡を保存し、その価値を次世代へ確実に伝えていくため、また、史跡を公開し活用しながら、保存に対する理解を深めていくために必要な整備・活用の基本方針を示します。

(1)史跡を保存するための整備・活用方針
ア.道筋の整備
  • 道筋の定期的な状態確認(路面状況、石畳、土木工作物等)と安全性快適性を考慮した改修・更新
  • 和田宿内のアスファルト舗装化された道筋の、景観に調和したカラー舗装導入等の検討 等
イ.伝統建築技術の継承と一体で進める補修・改修
  • 永代人馬施行所、和田宿本陣、歴史の道資料館かわちやの計画的な維持管理・整備及び伝統建築技術をもつ専門家による立会(年1 回程度)の実施
  • 和田宿内の宿場建築等の伝統的建造物の計画的な維持管理・修繕・改修の実施 等
ウ.旧家等に眠る史資料の把握と様々な学習機会の創出
  • 各家庭に眠る歴史的重要性の高い古文書、絵図等の収集・保管
  • 地元活動団体、大学機関等と連携した学習機会の創出、小中学校への学習教材の提供、地域間交流学習会等の開催 等

活用方針

(2)史跡を公開・活用するための整備・活用の基本方針
ア.史跡の価値の向上と公開・活用に有効な環境整備の実施
  • 老朽化した案内サイン、道標等の更新、新規設置
  • 人材育成(歴史解説、文化継承、イベント企画等)
  • 地域ボランティア、活動団体の育成と既存団体の支援 等
イ.史跡の価値を広く公開・活用する取り組みの実施
  • 中山道、宿場等を活かした関連イベントの企画・開催
  • 街道文化を「楽しく」継承する取り組みの実施
  • 資料館等、町有の宿場施設の利活用方法の検討
  • パンフレット等印刷物、普及啓発ツールの開発等

基本方針【保存管理の考え方】

○中山道の道筋:

  • 往時の幅員、状態の維持保全

○落合橋(和田橋・中山橋)からの景色:

  • 中山道を取り巻く土地利用、農村景観の保全
  • 中山道周辺に居住する所有者との連携

○関連文化財(一里塚跡、神社等):

  • 中山道沿道に散在する石造物、神社等の関連文化財の維持保全




○中山道の道筋:

  • 往時の幅員、状態の維持保全

○宿場建築:

  • 計画的な補修及び維持保全
  • 宿場内の空き家の保存活用方策の具体化

○案内サイン・看板等:

  • 施設の劣化状況等の把握、維持管理
  • 修繕や更新及びわかりやすい案内への改善

○ポケットパーク等の便益施設:

  • 日常的維持管理及び利用者の安全性快適性の向上

◎国史跡の追加指定に向けた取り組み推進:

  • 御殿跡、脇本陣、下の問屋、なが井、よろずや




○唐沢一里塚:

  • 現在まで保たれてきた往時からの雰囲気と価値を保全できる空間管理及びその継承

○中山道の道筋:

  • 植生管理を中心とした維持管理の継続実施(草刈や適度な除伐等)
  • 地元活動団体の協力による維持管理体制の継続

○案内サイン・看板等:

  • 施設の劣化状況等の把握、維持管理
  • 修繕や更新及びわかりやすい案内への改善



○中山道の道筋:

  • 植生管理を中心とした維持管理の継続実施(草刈や適度な除伐等)
  • 地元活動団体の協力による維持管理体制の継続

○道筋上の土木工作物等:

  • 関係機関との連携による道筋の維持保全(工作物の部分更新や補強等)

○休憩施設、案内サイン・看板等:

  • 老朽化施設の更新及び快適性の向上

○永代人馬施行所:

  • 屋根の葺き替え等計画的な補修の継続
  • 利用者マナーの向上に向けた対策の実施

◎東餅屋茶屋跡:

  • 国史跡の追加指定に向けた取り組みの推進
  • 草刈等の植生管理や案内サインの維持管理

○史跡の価値の普及啓発:

  • 中山道の利用者、住民向けに史跡の価値の理解促進に向けた取り組みの実施(施設を紹介するミニパンフレットの作成・配布等)




7.追加指定の基本方針

長久保・大門地区には、中山道の道筋、長久保宿など史跡として保護すべき遺構が存在します。これらについて、今後国史跡中山道への追加指定を目指していくための追加指定の基本方針をとりまとめます。

図3 長久保・大門地区の史跡として保護すべき範囲

図3 長久保・大門地区の史跡として保護すべき範囲

A.中山道の原道 [笠取峠~長久保宿間]
笠取峠から長久保宿へ向かう中山道の道筋は、往時を偲ばせる山道が続き、年数を経た石垣や石積みが確認され、往時の道筋の面影が残り重要。
【主な構成要素】
※中山道の往時の街道筋(中山道の原道)
◇金明水・銀明水 立場茶屋跡 松尾神社 等

B.長久保宿
・長久保宿内の中山道は、江戸方の竪町と京方の横町からなる特徴的なL字型の町並みの中で、現在でも往時の幅員を維持。
・長久保宿の町並みは、江戸前期から明治初期の建築で現代まで大切に受け継がれてきた伝統的建造物など、貴重な宿場遺構により構成されており重要。
【主な構成要素】
※中山道の往時の街道筋、旧本陣石合家、 釜鳴屋、 問屋、辰野屋、 馬宿
◇長久保宿の町並みを構成する伝統的建造物、道標・道路元標、道祖神等の石造物、長安寺、観音寺等

C.四泊一里塚跡・落合橋周辺
四泊一里塚跡周辺と落合橋周辺の中山道の区間は、往時の道筋に大きな改変もなく、線形、幅員等、往時の状況をよくとどめており重要。
【主な構成要素】
※中山道の往時の街道筋
◇四泊一里塚跡、落合橋、馬頭観世音等の石造物 等

※国史跡中山道へ追加指定を目指す遺構等
◇その他の構成要素

【追加指定の基本方針】

長久保・大門地区における中山道及び長久保宿に関連する遺構は、歴史的重要性が高く、それを証明する史資料が数多く存在しています。現存するこれらを後世にわたり長く継承していくためにも、その価値を調査し、国史跡として保存していく必要があります。そのために必要な実施事項を整理します。

①中山道の道筋遺構の保存及び確認調査

  • 7-1長久保・大門地区にある往時の状況を色濃く残す中山道の道筋遺構の適切な保存
  • 笠取峠から長久保宿間における道筋の要確認箇所の調査の実施(古文書調査、必要に応じてトレンチ調査)

②長久保宿の町並みを構成する重要な伝統的建造物の保存

  • 伝統的建造物の保存に向け所有者の方々との連携、協力体制の構築
  • 各種補助事業の活用・拡充による建造物の維持管理及び保存の強化

③長久保宿・中山道に関する古文書等の史資料の調査

  • 旧家に所蔵されている長久保宿、中山道に関する史資料の調査を推進

④歴史的景観の保存

  • 7-4長久保地区の各所に息づく中山道の歴史的景観の保存、遺構の保存に向けた対策の実施

⑤地域住民との合意

  • 町家建築等の維持管理に対する補助制度のしくみづくり
  • 地域参加型の中山道、宿場の保存会の育成
  • 現在活動している「長久保宿保存整備検討委員会」を核とした地域と一体となった中山道、長久保宿の保存管理体制の構築

7-5

【追加指定地区における整備・活用の基本方針】

国史跡への追加指定を目指す長久保・大門地区において必要な整備・活用の基本方針を示します。

①中山道の道筋整備

  • 往時の中山道の道筋について、整地や段差を解消するための石段の設置等による快適性の向上、道標の設置によるわかりやすい道筋整備
  • 中山道の道筋上にある落合橋定期点検、維持管理(塗装等修繕整備等) 等7-2-1

②中山道・長久保宿内 各種サインの設置

  • 統一デザインされた中山道の案内、解説、誘導等の各種サインの設置及びその維持管理 等

③長久保宿の町並み保存整備

  • 「出桁造り」を持つ伝統的建造物を維持保全していくための修繕、改修の支援策(公的な補助制度等)を活用した町並み保存及び整備の実施
  • 消火栓、ホース格納箱等における町並み修景の継続等

④現存する宿場建築の保存・利活用促進

  • 7-2-3宿場建築における空き家の利活用促進策の検討(イベント、展示スペースとしての活用、移住を希望する方への提供など) 等

⑤笠取峠立場茶屋のポケットパーク整備

  • 金明水、銀明水のある場所へかつて笠取峠にあった立場茶屋を彷彿とさせるポケットパークを整備等

⑥石造物の再移設

  • 国道整備に伴い、往時の位置から移設された馬頭観音等の石造物を地元住民からの聞き取り等に基づき、元の位置へ再移設する取り組みの実施等

7-2-6

8.現状変更等の取扱基準

史跡指定地では、現状変更等を行う(開発など)際に認められない行為、または許可申請が必要となる行為があります。ただし、史跡指定地外は、適用外です。

■現状変更等を認めない行為

  • 史跡の形状を変更する行為(史跡が滅失、き損、衰亡するおそれのある行為)
  • 地形及び景観の改変(軽微なものを除く)または価値を著しく減じる行為
    具体例)史跡中山道を拡張、掘削する土木工事 等

■文化庁長官への許可申請が必要な行為

  • 史跡中山道の道筋での掘削、盛土等を伴う土木工作物の設置
  • 史跡中山道に及ぶ防災工事
  • 路盤に及ぶ道路舗装の修繕
  • 道路側溝の設置
  • 伝統的建造物の屋根葺き替え、本体の改修等

■県教育委員会への許可申請が必要な行為

  • 既設の土木工作物等の補修、改修
  • 木橋、石畳の改修
  • 道路舗装面の修繕、区画線の補修、標識等の設置
  • 道標、案内板、施設の解説板等の設置、改修
  • 支障木等の撤去
  • トイレ、休憩所の設置等

□許可申請が不要な行為

【維持の措置】

  • 史跡中山道の道筋、建造物が損壊またはその恐れがある場合の応急措置等
  • 土のうの設置、立入禁止柵等仮設工作物の設置
  • 枯損木の伐採 等

【非常災害のために必要な応急措置】

  • 土砂崩落拡大防止のための土砂の掘削、除去
  • 進入防止柵、注意看板の設置など応急措置 等

【保存に影響を及ぼす行為で影響の軽微なもの】

  • 史跡中山道直上または周辺における重量物積載車の通行、振動を与える行為 等

【維持管理】

  • 屋根、壁等の修繕、塗装等で軽微なもの
  • 道、広場等の清掃、除草
  • 史跡中山道の道筋、建造物の軽微な修繕(日常管理で生じたわずかな傷、掘削面の復旧等)
  • 案内板等の同質、同形、同色の補修 等

9.運営・運用の体制

この保存管理計画の運営・運用は、地域住民や関係団体等と連携しながら、「長和町教育委員会」が事務局となって進めていきます。また、「(仮称)中山道保存活用委員会」を設置し、より専門的な知見、技術に関する提案や助言をいただくこととしています。
体制の運営にあたっては、地元で活動されている団体の皆様との連携をさらに深めていくと
ともに、地域住民の方々にも参加いただきながら計画を推進していきます。

組織

【お問い合わせ先】
長和町教育委員会 教育課 文化財係
〒386-0701
長野県小県郡長和町和田147-3 長和の里歴史館
TEL/FAX:0268-88-0030

 

お気軽にお電話ください。 TEL 0268-88-0030 受付時間 9:00-16:00[月曜日を除く]

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